【会社設立関連コラム】「短くて見やすい」チラシがダメな理由
自分のサービスの紹介用のチラシやパンフレットのようなものを作る時。
多くの方が疑問に思うことがあります。
それは『どれくらいの情報量にすればいいのか?』ということです。
今まで僕が話してきたFPの方で、このような疑問を感じていた人は少なくありません。
その疑問をもっと具体的に言うと「ほとんどの人が、どうせちゃんと見ないんだから、見やすいように簡単にまとめた方がいいんじゃないのか?」と感じているようです。
今回はこのテーマについて、詳しく考えていきたいと思います。
自分のサービスの紹介をする為の
チラシやパンフレットには、どのような意味があるのでしょうか?
それは、自分のサービスに興味を持ってもらう為、ですよね。
もっと言うと、サービスに興味を持ってもらい、「このサービスに申し込みたい!」という気持ちになってもらい、反応をしてもらう為です。
よく、「知ってもらう為」という回答をする方がいますが、それは間違いです。
あなたの事務所の名前を覚えてもらっても、あなたの財布にお金が入るわけではありません。
反応をしてもらわないと意味がないのです。
それに、あなたのお客さんはあなたがどんな名前の事務所をやっているのかなんて全く興味はありません。
気にしているのは、『自分がどうなるのか』ということだけです。
あなたのことではなくて、自分のことを四六時中考えているのです。
そこを忘れてはいけません。
では次に、『チラシやパンフレットに書く文言はできるだけ少なく、わかりやすくした方が良い』という考えに至るまでの思考の流れを見ていきましょう。
自分のサービスの案内をするモノを作った場合、それを見る人は、“興味のない人”と“興味のある人”の2つに分かれます。
そして、普通は”興味のない人”がほとんどです。
状況によって大きく変動するので何とも言えないですが、ここでは便宜的に全体の9割が”興味のない人”で、
残りの1割が“興味のある人”だと仮定しましょう。
そうなってくると、チラシやパンフレットを作り、それに対するお客さんの反応を見ると、『みんなあんまり見てくれないな~』と感じることになります。
全体の9割の人が見てくれないのですから、そう感じてしまうのも仕方ないでしょう。
そんな状況になると、『もっと見てもらうにはどうしたらいいだろうか?』ということを考えるようになります。
その結果『情報量を少なくしてわかりやすくし、もっと見てくれる人を増やそう』という判断になるのです。
一見するとこれはこれで正しいように見えますが、実は、重大な間違いをしてしまっています。
どんな間違いをしているかというと、『興味を持っている人を無視してしまっている』のです。
9割の人は見向きもしませんが、1割の人は興味を持ち、しっかりと内容を見てくれます。
この1割の人は、”情報が欲しい人”です。
人は、自分の興味のあることだったら、『もっと知りたい!』と思うものです。
例えば、あなたが電車で2時間かかる所で行なわれるセミナーに参加しようとしているのなら、セミナーの内容を詳しく知りたいと思うはずです。
2行、3行の説明だけでは物足りないですよね。
そういったことを考えずに情報量を少なくしてしまうと、1割の興味がある人の要望に応えられなくなってしまいます。
そうなると、せっかく興味を持っている人に反応をしてもらえる可能性が低くなります。
逆に情報量が多くすれば、興味を持っている人は喜んでくれます。
あなたのサービスについて詳しく知る事ができ、申し込みに至る可能性も上がるでしょう。
ここまでをまとめてみましょう。
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《情報量を少なくするアプローチ》
興味を持っていない人
↓
見てくれる可能性は多少増える。
しかし、元々興味を持っていない為に反応はしない。
興味を持っている人
↓
そもそも興味があるので見る。
しかし、情報量が少ないので反応しづらい。
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《情報量を多くするアプローチ》
興味を持っていない人
↓
見てくれる可能性は多少減る。
しかし、元々興味を持っていないので影響はない。
興味を持っている人
↓
そもそも興味があるので見る。
情報量が多いので、反応をしてもらえる可能性が上がる。
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このような感じになります。
結局、情報量を多くするアプローチの方が効果的だと言うことがわかって頂けると思います。
『情報量を少なくした方がいい』という考えは、”見てもらうこと”が目的になってしまうことが原因となって起こります。
しかし、目的は『見てもらうこと』ではありません。
『反応をしてくれる人』を増やす事です。
そうする為には、多数派の『興味のない人』に焦点を当てるのではなく、少数派の『興味のある人』に焦点を当てる必要があります。
興味がある人に喜んで受け取って
もらえるものを作ればいいのです。
それが、反応の数を増やす為に最適な方法です。
多くの人は、『興味のない人』を
どうにかしようとして失敗してしまいます。
ですが、それは無理な話です。
興味のない人はそもそも反応をしないからです。
よく他の人の話や広告代理店の話の中では、「わかりやすく、見やすいものの方が良い」ということが言われますが、鵜呑みにするべきではありません。
「みんな見ないから」なんて言葉を
そのまま受け取る必要はないのです。
重要なのは、“興味のある人に反応してもらう”ことです。
興味のない人は無視して問題ないのです。
是非、このことを覚えておいて下さい。
今回のこの記事はまさに目からウロコではなかったでしょうか。
あなたは折り込みチラシや集客用のチラシを作る時に何を重要視していますか?
多くの人は「出来る限り多くの人にこのチラシを見てもらいたい!」ということではないでしょうか。
見てもらえなければ始まりませんからね。
なので折り込みチラシなど、他のチラシに埋れてしまわないように出来る限りキャッチーな見出しを付け、インパクトのあるカラーを使い、人の目を奪うことを考えます。
もちろんこれはとても大事なことですが、問題はこの次にあります。
「見てもらった後、どのように集客に結びつけるか」ということです。
数あるチラシの中から目を奪うことに成功した後は、どのように集客まで持って来るかが重要になってくるわけです。
例えば相続相談会の折り込みチラシを配布するとして、興味のある人は多くても3割、その中から実際に今相続が発生している人は半分以下、さらに相続税がかかる人となると本当に限られてきます。
しかしそもそも相続に興味のない人や相続税に縁がない人にはそのチラシはなんの意味もないわけです。
ゴミと同じです。
しかし今まさに相続が発生していてなおかつ相続税がかかってくるかもしれない人にとっては無料相談は願っても無い機会ですね。
しかし実際に相談会にいって専門家に相談する、というのは普通の人にとってはとてもハードルの高いものです。
こんなこと相談してもいいのだろうか、本当に無料なんだろうか、士業の先生ってなんだか怖そう…など様々なイメージがあります。
そのハードルを下げるためにはやはり少ないチラシのスペースを使って出来る限りの情報を載せておくことも必要になってきます。
相談会やるから来てね!という情報だけがドーンと載っているだけではなかなかハードルは下げられません。
ですので、チラシの第一目標は「見てもらうこと」ではありますが、「出来る限り多くの人に見てもらうこと」ではなく「相続に興味のある人に見てもらい、集客すること」が最終目標なわけです。
その場合は例えばパチンコチラシのようにインパクトのみ重視したチラシではなく、ある程度読ませる部分も必要になってくるということですね。
今回の記事をぜひ参考にしてチラシを作成してみてください。