【会社設立関連コラム】ブランドメーカーは中古市場の動向にも責任を持つ必要がある
ビジネスセンスにも長けたアッパーミドル(中上流層。年収800万円以上)の消費者は、プライベートな買い物でも「商品の本質的な価値(品質や希少性)」や「自分に対する投資効果」を考える傾向があり、それが賢い買い物であることの理由を求めている。
たとえば、高額な腕時計が売れているのは、仕事でもオフの日でも、知的なアクセサリーとして身に付けて、自分の地位や文化レベルを示すことができるためだ
という。そして、イザという時に換金することが可能で、身近な資産として捉えることもできる。最近のブームから、様々な高級ブランドの時計が発売されており、どれを選ぶのかは迷うところ。
しかし、米フォーブスの記事では、「ロレックス」と「パテックフィリップ」以外は、「ほとんどが購入してすぐに価値を落とすことになる」と警鐘を鳴らしている。理由は、時計本来の品質よりも、外観のデザインや美しさをウリにして、もともとの定価が高めに設定されているためだ。
高級品の価値は、発売時の価格ではなく、中古として転売される際の価格(リセール・バリュー)で考えるのが妥当であり、ブランドメーカーは中古市場の動向にも責任を持つ必要がある。
パテックフィリップの時計は、安いモデルでも200万円以上するが、ムーブメントの製造からすべて自社工場で行い、故障した時には永久的に修理できることを約束することで、信頼のブランド力を築き、高いリセール・バリューを維持している。
ロレックスも、“永久”ではないものの、現行モデルの生産中止から最低でも25年以上は修理用の部品を保有している。また、5年前後でオーバーホールのメンテナンスをする時には、外観に付いた小傷を研磨して、新品同様にするサポートがあるため、中古品の相場が下がりにくい。
ロレックスの時計は、並行輸入品やオークションでの中古売買も活発に行われているが、それが“本物”であれば、正規のサービスセンターで修理やメンテナンスをしてもらえる。もしも、中古で購入したロレックスが、本物かどうか心配な時には、サービスセンターのメンテナンスに出してみればよい。
そのため、最近のロレックス・ユーザーは、購入先を正規販売店だけに限定せず、ネットで多方面から探すという合理性も持っている。
今回のお話は私のような一般庶民には関係ない、いわゆる富裕層クラスの方のお話でした。
パテックフィリップなんて時計聞いたことないな、と思ったら最低でも200万。
これくらいの高級時計であれば立派な相続財産ですね。
揉め事が起らないように遺言書には誰に相続させるかきっちり書いておいてくださいね。
パテックフィリップのHPにも、“親から子へ”というコンセプトの元に製作された時計、ということで、なんと160年前に作られた懐中時計でさえもメンテナンスできるそうです。
ちなみに一番安いメンテナンスである電池交換でさえ10500円。
メンテナンス料金で他の時計が買えてしまう値段です。
やはり一般庶民には到底手のでない商品ですね。
富裕層クラスのお話ではありましたが、中小企業にとって参考にすべき点がなかったわけではありません。
『高級品の価値は、発売時の価格ではなく、中古として転売される際の価格(リセール・バリュー)で考えるのが妥当であり、ブランドメーカーは中古市場の動向にも責任を持つ必要がある。』
なるほど、と思う言葉ですね。
いいものは中古であっても値を急激に落とさない。
高価なものを売ろうと思うのであれば、中古市場にも責任をもつ必要があるのですね。
その価値の一部にメンテナンス体制があると思います。
圧倒的に人員の足りない中小企業においては、メンテナンス体制というのは頭の痛いところです。
一番楽なのは作りっぱなしの売りっぱなし。
ですがこれでは消耗品として価格競争に飲まれればひとたまりもありません。
付加価値サービス、他者との差別化としてメンテナンス体制を充実させるというのは長い目でみればメリットがあると思います。
またメンテナンスには時にはクレーム対応も含まれます。
クレームは出来れば受けたくないし、受けないように心掛けるべきではありますが、クレームの中にこそお客様の声があるのも事情です。
中小企業であっても売れるモノは売れる。
モノづくりニッポンの心意気をぜひ期待します。